根管治療の注意点

根管治療は、大事な歯を守るためにとても重要な治療です。


肉眼では見えない複雑な歯の内部を扱うため、非常に精密な作業が要求される難しい治療です。


治療を無事成功させて、健康な生活をお送りするためにも、根管治療について少しでも知っていただければと思います。


ここでは治療中や治療後の注意点について簡単にご説明させていただきます。


根管治療の期間に関して


根管治療は歯の内部に進入した菌を完全に取り除く治療です。


そのため、何回かに分けて歯の消毒をする必要があります。


虫歯の進行度合いなどによって治療期間は異なりますが、平均して2~4回の通院が必要になります。


根管治療中の行動に関して


治療中に特に気をつけるべきことは、患部に刺激を与えないことです。


健康な歯であれば、外部をエナメル質・象牙質で守られているため、硬い物を食べても影響はありませんが、
根管治療中の歯は、仮の蓋で覆うものの、健康な歯とは違い非常にデリケートで弱くなっています。


外部からの衝撃を完全に防げる状態にはありません。


このようなときに患部で物を噛んでしまうと、最悪の場合歯の外側や根が破折してしまい、治療が大幅に遅れる可能性もあります。


また、神経を抜いた場合は痛みを感じなくなるので、患部が気になるかもしれませんが、決して指で触るなどの刺激も与えてはいけません。


完全に治療が終わり、担当の医師からの指示があるまでは、患部で物を噛まないように気をつけることが必要です。


根管治療中の飲食物に関して


辛いものなどの刺激物は控えるのが望ましいと思います。


場合によっては、アルコールも控えた方がいいかもしれません。


たばこも決して歯に良いとはいえませんので、治療中は特に控えることをお勧めします。


完全に治療が終わるまでは、刺激物の摂取は控えたほうが良いと思います。


飲食物に関しては、かかり付けの医師にご相談ください。


根管治療中の痛みに関して


治療期間中は、歯の内部が不安定な状態になるため、患部で物を噛むと当然痛みます。


また、完全に治療が済むまでは一時的に痛みや腫れが出ることがありますが、大抵の場合数日で直ります。


治療を続けるにあたり、組織を傷つけてしまい痛みが生じるケースがあるためです。


その場合の痛み止めは様々ありますので、症状を担当の医師に伝えて適切な処置を受けてください。


患者さんの精神状態も重要になります。


治療が痛くて精神的に弱ってしまい、治療に行かなくなるのが一番よくありません。


痛みを抑える方法は様々ありますので、担当の医師にご相談ください。


治療は持続して、必ず完了させてください。


根管治療は最後まで続けること


根管治療において神経を抜くと痛みを感じなくなる場合があります。


そのため治療に行かなくなる場合がありますが、とても危険なことです。


長期間治療をしないで置くと、患部は細菌だらけになります。


せっかく治療していた歯も、最悪の場合抜歯しなければならなくなります。


決して自己判断で治療を中断してはいけません。


また、前述しましたが、治療の際の痛みによって精神的に参ってしまい、治療に行かなくなる方もいらっしゃるかもしれません。


根管治療は歯の内部のデリケートな部分の治療のため、初めから100%痛みを抑えることは難しいと思います。


ただし、医療技術は日々進化しているため、歯の治療は昔と比べて痛くなくなったといわれています。


痛みの感じ方は人によって違うため、がまんせずに痛みの症状を詳しく伝えることで、適切な治療を受けられると思います。


根管治療後に関して


歯の内部の治療のため、治療が完了後も痛みが生じる場合があります。


大抵数日で収まるはずですが、長期間続く場合はすぐにかかり付けの医師に相談してください。